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ものの弾みというのは恐ろしいもので、ほんの酒飲み話できのこの道具の話になり、あれよあれよという間にオリジナル竹籠を作ってもらえることになってしまった。 どうも友人のお義父さんは、著名な竹細工師でいらっしゃるようで、またしても自らの軽口が原因で、周囲にご迷惑をかけそうな予感。。 口で聞いても分からんから絵にして欲しいと言われ、見るに耐えない稚拙な走り書きを友人に手渡したが、絵でも伝わらないからぜひ自宅まで来て説明して欲しいという展開になってしまった。ああ、やはり。。 昨日、岐阜県関市にあるご自宅兼工房にお邪魔し、恥ずかしい絵をもとに、緊張しながら、竹の編み方、大きさ、構造について説明させていただいた。 普通の竹製きのこ籠は口が円形なのだが、これだと腰に沿うようなフィット感に欠け、無用に中のきのこがバタついて形が崩れてしまうことが多い。そこで、買い物籠風な形でしかも緩く湾曲しており、地面に置いた時にも安定して立っていられる形状が理想的ではないかと考えた。そして口元には手提げ用のハンドルが付く。 上の写真は鮎釣り用の籠。使い込んだ道具は鈍い光沢を蓄えて例えようもなく美しく、その上頑丈だ。 大きめの3つの籠が並んだ右の写真は、年を経るごとに竹の色が変化していく様子がよく分かる。10年、20年と使ううちに次第に味わい深い飴色に変化していく。 お義父さんは竹細工一筋50年、岐阜で唯一の鵜籠職人で、鵜飼用のヨツザシ(鵜が4羽入る:下の写真)や吐籠(鵜が捕った鮎を吐かせる籠)が仕事場に並んでいる。竹細工の置物も少しは並んでいたが、あくまで実用的な道具作りにこだわり続けていらっしゃる。 そんな一途な職人さんに、しょうもないきのこ話を聞いていただいた上に、結局、作ったこともない妙なきのこ籠をお願いしてきてしまった。もし出来上がってきたら、一生ものの宝物。ああ、罪深い。この強欲を許し賜え。
by kokusa5884
| 2006-06-04 18:05
| きのこ
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Comments(10)
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こうちゃん
at 2006-06-04 19:06
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うわあ、うらやましいなぁ。できたらみせてくださいね。それにしても、鮎用の籠?あの飴色、ツヤはたまりませんね。手入れが大事ですね。僕のはカビが生えてる・・・。
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teku
at 2006-06-04 20:50
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いやいや、人徳ですよ。きっと・・。
会社の友人は、常滑焼きのプロに、オリジナルの焼酎サーバーを作ってもらうつもりでいる様です。それも、コック(蛇口)代のみで!私もあおってますが・・・。 しかし、その人にとっても、新しい物への挑戦のきっかけがあって嬉しそうです。何年後に実現するかは不明です。成功したら、私も3台目のサーバーのゲットとなるかも。本当に好きな道なら、皆、貪欲なものですね(^○^)
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ライダー
at 2006-06-04 21:07
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なんとも、凄いですね、物、特に道具にはうるさい私からすると羨ましい限りです。
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HOPE
at 2006-06-04 21:28
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師匠にその素晴らしい籠が渡るのは、必然の運命(大袈裟な(^^ゞ)
なんでしょうね。 出来上がったら見せて下さいね。
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kokusa5884 at 2006-06-04 22:51
いやはや、多くの方々からコメントを頂戴しました。
道具に負けないようにいっそう精進しなければ。。 でも最近、より一層忘れっぽくなって、きのこの名前がすっと出てこなくなっちゃいました。こんな私でも立派なバッグや籠を持ってていいのかしらん。。
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yoas23 at 2006-06-05 04:33
羨ましいですねぇ、身の回り道具オタクとしましては羨ましい限りです。
最初の写真の籠の口元の細工などは唸ってしまうほど精巧に出来てますね。 それにしても、もせてさん、どれだけのきのこをお採りになるつもりですか。^_^; それとも籠はもったいなくて使えないかな。
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kokusa5884 at 2006-06-05 22:20
皆さん、道具にはそれぞれ思いがあるんですね。
イケテイのバッグも相当なものだと思うんですが、竹籠の魅力にはかなわないのかな。いつ出来てくるのかも分かりませんが、わくわくしながら待つ時間もいいものです。
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むつごろう
at 2006-06-06 18:43
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手作りの物って味わいが有りますよね。
私の住んでいます町内にも竹細工で生計を立てておられる方が見えます。 生活用品としての竹製品の需要が激減してしまった今、需要は激減してしまったのではと思うのですがいつも前を通りますと黙々とお仕事をされております。
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kokusa5884 at 2006-06-06 22:34
竹を割くための両刃の小刀とか、いろんな道具も見せてもらいました。
簡単そうに細く細く竹を割いて見せてくれましたが、素人では到底出来そうもありません。やっぱ凄いです。
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